花粉症の続きです

 

あらすじ

花粉症のレイちゃん、くしゃみと涙が止らない

そこで危険だけどMADのリツコさんに相談

そしたら

怪しげな薬、もとい普通?の薬をもらいました

薬を飲むのは食後にと食堂に行ったレイちゃん

(どれがいいの?)

メニューの前で悩んでいました。涙を流して

それを見たシンジ君は勘違い

(どうして選ぶだけで涙を・・・・)

花粉症とは知りません

(はっお金がピンチなんだ!苦労する綾波なんて・・・)

超勘違いのまま

一緒に暮らそう!

爆弾発言

 

 

 

 

もう一人の家族

クシュン!

 ぽろぽろぽろ

 涙を流しながら最高級Aセット(肉抜き)を食べるレイ、シンジは席を外した。

「碇クン、どこに行くの?」

「父さんに会って来るよ。綾波と暮らせるように。待っていてね」

 ゲンドウが苦手なシンジだが、正義の心が彼を行動させる。勇ましく食堂を出て行った。

(碇クンありがとう・・・・・・クシュン!美味しい)

 

 ゲンドウの元に向かうシンジ、キビキビした足取り普段なら、へなへなだが今は違う。

(何と言われようと、一緒に住むんだ。そうしないと綾波が可哀相だ。そう何を言われようとも)

 そして司令室の前、大きく深呼吸すると鼓動を整えてノックをした。

「誰だ」

 ゲンドウの低い声にシンジは足が震えた。

(逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。)

「シ、シンジです、入ります」

 扉が開き、ゆっくりとゲンドウに向かって歩き出す。

「何の用だ」

 お決まりのゲンドウポーズでシンジを見据えるゲンドウ、ポーズを取ったまま微動だにしない。

「お、お願いがあるんだ」

「ふっ却下だ」

 わずか0.02秒

「な、まだ何も言ってないじゃないか、どうして却下なんだよ」

「ふっ私は忙しいのだ、要件があるなら早く言え。でなければ帰れ」

「言う前に却下したじゃないか・・・」

「ふっ」

 呆れるシンジ、ゲンドウはお構いなしにニヤリと笑った。

「あ、綾波と住みたいんだ」

 サングラスでわからないが目元がピクリと動いた。

「ダメだ。二人で住むのはまだ早い」

「ち、違うよ。ミサトさんのマンションに移るんだよ」

「そうか、しかしダメだ」

 ダンッ!

 その言葉にシンジは机に激しく両手を付き、ゲンドウに近寄った。

「どうして?父さんは綾波の苦しむ姿が見たいの?僕には耐えられないよ。お腹を空かせている綾波なんて!涙を流して一生懸命メニューを選ぶ綾波なんて!父さんは耐えきれるの?僕は涙がでたよ」

 力説するシンジ、ゲンドウは思わず、身をそらしたがポーズは変えていない。

「う、うむ・・・・だが」

父さん!

「わ、わかった許可しよう」

「ありがとう、父さん」

 迫力にOKを出した、シンジはニッコリ笑うと司令室を出て行った。

「・・・・問題無い」

 一人になったゲンドウ、なぜに問題無いのだろうか?

「ふっ」

 

 

「次はミサトさんだ」

 次はミサトに許可を貰いに行く。すでにゲンドウに許可を貰ったので別に許可を貰わなくて良いのだが、一応家長なので貰いに行く。

「ビールをサービスすればOKだね」

 足取りは軽い。

 

 その頃、食堂では・・・

「ごちそうさま・・・・クシュン!」 

 食べ終わった、そしてポケットからネコマークのビンを取り出した。リツコからもらったカプセル薬である。カプセルを口に入れると、水を飲んだ。

 ゴクリッ!

「効くのかしら?・・・・」

 MAD特製の薬、不安が募る。だが・・・・・

 

 

「・・・・なおった?」

 クシャミも涙も出なくなった。

「博士が失敗しないなんて・・・・・悪い事の前兆」

 成功なのに悪い方にとらえるレイ、それほどリツコは信用されていなかったのである。

 

 

 ミサトの元に向かっているシンジは・・・・

 部屋の前に来た。

「ミサトさん、居ますか?入ります」

 シンジはドアを開けた・・・・衝撃が眼に入った。

ハッロウ〜〜シンちゃん

「ミ、ミサトさん・・・・」

 仕事中なのにビールを飲んでいたミサト、床にはすでに数え切れないくらいの空き缶が転がっている。

(これでよくクビにならないなあ)

 尤もな考えである。

「何か用なの〜〜〜ヒック」

(はっそうだった。許可を貰いに来たんだ)

「実は綾波と暮らしたいんです」

「ヒック、レイと暮らしたいの?シンちゃんもやるわねえ〜」

 ニヤニヤしながらビールを流し込み流し目でシンジを見た。

「はい、許可を貰えますか?」

「う〜〜〜ん、どうしようかな〜〜ヒック」

 体はフラフラしている、酔っぱらい。このままでは時間だけが過ぎて行く、シンジは伝家の宝刀を抜いた。

「ビール、サービスしますから」

OKよん!

 0.01秒、速答。

「あ、ありがとうございます!」

 シンジは速攻で部屋を後にした。

「サービスよろしくねん」

 

 

 食堂

 レイはシンジを待っていた。シンジに『待っていてね』と言われたからである。

 タッタッタッタ

綾波〜〜〜

 シンジが息を切らして走ってきた。その顔は走ってきた事で疲れが見えていたが笑顔であった。

「碇クン」

「綾波、喜んで一緒に暮らせるよ」

「本当?」

「うん、本当だよ。これで不自由しないよ。行こう」

「うん・・・・」

 顔を赤らめるレイ、二人はネルフを後にした。

 

 

 それからレイのアパートにより、着替えなど、日常品を用意する。他のものは後日でも良い。

「今日は引越し記念だから、夕食は豪勢にしないとね」

 そしてスーパーにより、食材を買いこむ。

「・・・・私、お肉ダメなの・・・」

「大丈夫、お肉無しでも美味しいものはつくれるから」

「ありがとう」

 

 

 そしてミサトのマンション、玄関前・・・・・

「ただいま」

「お、お邪魔します・・・・」

「綾波ダメだよ。ここは綾波の家なんだよ」

 シンジはニッコリと微笑んだ。レイはゆっくりと敷居をまたぎ、小声で言った。

「・・・・た、ただいま」

「おかえりなさい」


 リクです。冒頭でわかるように花粉症の続き。

 レイちゃんの涙にシンジ君、なんて男らしい行動なんだ(笑)ゲンドウもタジタジ。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


NEON GENESIS: EVANGELION もう一人の家族